林氏「全力で信頼回復に努める共感得られる政治を」

林官房長官は記者会見し、「持てる経験と実績をすべて生かしてこの国のために使わせてもらいたい」と述べ、立候補することを表明しました。総裁選挙には2回目の挑戦となります。

冒頭、林官房長官は「大変難しい状況の中だが、自民党総裁選挙への出馬を決意した」と述べました。

その上で政治とカネの問題について「大変信頼を損ねる事態となり深くおわびする。組織の長として責任を取るという岸田総理大臣の姿を目に焼き付け、その覚悟と心を深く刻み、全力で党の信頼回復に努めるとともに国民の共感を得られる政治を取り戻したい」と述べました。

そして「防衛大臣や農林水産大臣、外務大臣など閣僚を経験し、党では税制調査会や行政改革などの政策に取り組んだ。来年、議員生活が30年になるが持てる経験と実績をすべて生かしてこの国のために使わせてもらいたい」と訴えました。

さらに「仁」という字を記した色紙を掲げ「国民が安心できる人にやさしい『仁』の政治を行いたい。『仁』とは国民に対する慈しみや思いやりという意味だ」と述べました。

石破氏「今回は主義主張に共鳴のウエイトがより高い」

石破元幹事長は午後、党所属の衆議院議員の事務所を回ってあいさつを行いました。

立候補に意欲を示す野田聖子氏の事務所では、石破氏が、3日に64歳の誕生日を迎えた野田氏に「おめでとうございます」と言葉をかけると、野田氏は「いい御利益をもらい私も頑張ります」と応じていました。

また、島尻元沖縄・北方担当大臣の事務所では、島尻氏から「頑張ってください」と激励を受けました。

このあと石破氏は記者団に対し「今までの総裁選挙では対立する派閥の人の事務所には行きにくかったが、今回はそれがなく主義や主張に共鳴するかどうかのウエイトがより高い。一生懸命お願いすることを今まで以上にやらなければならない」と述べました。

河野氏「デジタルを活用してもっと親の負担軽減を」

河野デジタル大臣は旧ツイッターの「X」にコメントを投稿し、デジタルを活用して所得などの情報を把握し支援につなげる「デジタルセーフティーネット」の構築を総裁選挙の公約に掲げる考えを示しました。

そして閣議のあとの記者会見で「現状では所得や収入の情報は前の年の確定申告などしかなく誰が困難に直面しているかをリアルタイムで把握できない。デジタルで情報を共有すれば、所得が急激に減るなど困難に直面している人を把握しプッシュ型の支援ができる。マイナンバーも活用しリアルタイムで支援できる仕組みを作りたい」と述べました。

河野氏は午後、東京・渋谷区の子育て支援施設を視察し、子どもたちと一緒に音楽に合わせて体を動かしたり、保護者に施設の利用頻度などを尋ねたりしました。

このあと記者団に対し、子育て支援策について「岸田内閣でいろいろ進めてきたがデジタルを活用してもっと親の負担を軽減できるものはあると思う。ひとり親を正規雇用する企業に対し国が何らかの支援をしていくことも非常に大事になる」と述べました。

小林氏「派閥に支援を求めることは一切しない」

小林鷹之氏は午前党本部で麻生副総裁とおよそ20分間会談しました。

小林氏が総裁選挙に立候補することを報告したのに対し、麻生氏は「頑張れ」と激励しました。

このあと小林氏は記者団に対し「副総裁のみならず党の幹部にはそれぞれあいさつをしている。先輩議員として激励のメッセージをいただいた」と述べました。

一方、記者団から、麻生氏に支援を依頼したか問われたのに対し「一切していない。今回は『脱派閥選挙』を徹底すると言ってきており、派閥に対して支援を求めることは一切しない」と述べました。

茂木氏「経済の再生と地方の活力アップの2つに力点を置きたい」

茂木幹事長は記者会見で、4日に立候補を表明することに関して「経済の再生と地方の活力アップの2つに力点を置きたい。日本の将来について明確なビジョンを示し、それを実行して結果を出していくことが大切だ。あすへの希望、可能性が感じられる日本にしていかなければならない」と述べました。

小泉氏「介護分野でいかに人材が不足しているかが分かった」

小泉進次郎氏は午前、東京・目黒区の特別養護老人ホームを訪れ、入所者や職員と意見を交わしました。

この中で職員からは「給与の改善が難しく人手不足が深刻だ」などという声が上がっていました。

このあと小泉氏は記者団に対し「介護の分野でいかに人材が不足しているかが分かった。人手不足の中でもサービスを落とさないために、デジタル化が今まで以上に大事だ。私が総理・総裁になったら、しっかりと経済対策を指示し、物価高や介護職員の待遇改善にもつなげていきたい」と述べました。

小泉氏は午後、東京都内でみずからを支援する国会議員らと会合を開き、今後の態勢などについて協議しました。

会合はおよそ1時間行われ、出席者によりますと、小泉氏は冒頭「応援してもらい本当にありがたく思っている。しっかり期待に応えられるように頑張りたい」とあいさつしたということです。

会合に出席した、小倉 前こども政策担当大臣は記者団に対し「議員20人ほどが参加し、どう支援していくか具体的な話をした。建設的な議論ができて、一体感が高まったと思う」と述べました。

高市氏「大臣としての公務はしっかりと進めていく」

高市経済安全保障担当大臣は閣議のあとの記者会見で、総裁選挙への対応を問われたのに対し「大臣としての記者会見であり、党の催しについてはお答えしていない。岸田総理大臣からも閣僚は公務に支障をきたさないようにと言われており、大臣としての公務はしっかりと進めていく」と述べるにとどめました。

上川氏「私自身の活動そのものが自民党が変わることを象徴する」

上川外務大臣は記者会見で立候補に必要な推薦人の確保状況について「メドが立ってきたので、最終の詰めを行っていきたい」と述べました。

その上で自身は旧派閥の枠組みにとらわれずに活動しているとして「私自身の活動そのものが、自民党が変わる、日本の政治が変わることを象徴するのではないかと思うので、プロセスも大事にしていきたい」と述べました。

さらに外務大臣としての取り組みを振り返り「各国の首脳や外相との個人的な信頼関係が極めて重要であり、この1年間、日本外交の顔として動いてきたことを最大限生かして活動していきたい」と述べました。

齋藤氏 推薦人確保状況「コメントしない 段取りができてから」

齋藤経済産業大臣は閣議の後の記者会見で、総裁選挙の立候補に必要な推薦人の確保状況を問われたのに対し「何人集まったかなどについてはコメントしない。さまざまな段取りができてから話したい」と述べました。

また、いつまでに立候補の最終的な判断をするのか問われたのに対し「それも現時点でお答えするものはない。決まりしだいだ」と述べました。

岸田首相「プロセス自体が新生自民党を国民に示す重要な一歩」

岸田総理大臣は自民党の役員会で「いよいよ総裁選挙が本格化する。選挙のプロセス自体が新生自民党を国民に示す重要な一歩であることを心に刻み、残された任期において役員のみなさんと力を尽くしていきたい」と述べました。

青年局 政策論議のため討論・演説会の時間の確保など申し入れ

自民党青年局は午後、党の総裁選挙管理委員会に対し、総裁選挙の運営に関する申し入れを行いました。

この中では公開討論会や演説会がこれまでの枠にとらわれない有意義な政策論議の場となるよう十分な時間の確保に努めることや、各候補者の政策などを十分に踏まえた投票となるよう広報啓発に取り組むことを求めています。

またインターネット上の誤った情報やひぼう中傷に対しては党として毅然と対応することも求めています。

このあと鈴木貴子青年局長は記者団に対し「丁々発止のかったつな議論を通じて、国民に自民党や候補者の考え方を伝えることが何よりも重要だ」と述べました。

ネット広告や自動音声電話、物品配布を禁止に 罰則はなし

自民党は3日党本部で総裁選挙の選挙管理委員会を開き、選挙運動のあり方について協議しました。

その結果、政治とカネの問題を踏まえ資金のかからない選挙戦とするため、インターネットの有料広告の掲載や自動音声で電話をかける「オートコール」を用いた投票の呼びかけを禁止することを決めました。

また政策パンフレットなどの郵送や著書や色紙などの物品を配ることも禁止するとしています。これらの禁止事項は4日から適用されますが、罰則は設けないとしています。

一方、委員会は選挙期間中に全国8か所での演説会や討論会のほか、オンラインの討論会も実施することを確認しました。

総裁選挙管理委員会の委員長を務める逢沢元国会対策委員長は記者団に対し「政策を中心とした討論や演説を行う機会を提供しすばらしい人材がたくさんいるということを改めて党員や国民に伝えたい」と述べました。

経済同友会 新浪代表幹事「政策ありきで評価すべき」

経済同友会の新浪代表幹事は会見で総裁選挙について、「賃金が上がっていくことが見えてきたところで、これを継続的に進めていかなくてはならず、国民からの人気ではなく政策ありきで評価すべきだ」と述べました。

その上で、期待する政策として「人口減少が進む国が成長するのは非常に難しく、生産性を上げていくにはAI=人工知能やDX=デジタルトランスフォーメーションが必要で、そのためのエネルギー源がしっかりしていることが重要だ。今後、柏崎刈羽原子力発電所を早く安全に再稼働できることが 試金石になると思うし、特にエネルギー政策はきちんとやらなくはいけない」と述べました。

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