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茂木敏充氏「政策活動費は廃止」「増税ゼロ」 自民党総裁選に出馬表明
自民党総裁選への立候補を表明する茂木敏充幹事長=9月4日、東京都港区で(布藤哲矢撮影)
◆政治資金問題「幹事長として政権を支えられなかった」
―裏金事件の責任を取る形で、岸田文雄総裁が不出馬を表明した。幹事長の責任は総裁とどのような点で異なると考え、出馬表明に至ったのか。 「総理に出馬の意向を伝えた際、頑張ってほしい、そのように激励された。岸田政権、全力で支えてきたつもりだ。うまくいったこともあるし、厳しい局面もあった。(2022年の)参院選では陣頭指揮に立ち、勝利することができた。旧統一教会の問題でも、法案策定、リードして取りまとめを行った」 「今回の政治資金問題では本当に厳しい経験をした。反省の思いも強く持っている。幹事長として政権を支えきれなかった、こういうご指摘があるなら謙虚に受け止めたい。その上で、今、日本は内外の厳しい課題に直面している。この1、2年が正念場だ。難しい課題の解決に向け、これまでの経験や自分なりの結果を出す力で、その先頭に立っていきたい。そのように決断をした」◆政策活動費10億円の使途は?
―(政党から政治家個人に支給される)政策活動費の廃止を表明したが、これまでも国会の審議で議論になってきた。これまで幹事長という立場で、なぜ主張してこなかったのか。幹事長として取り組むことはできなかったのか。国会審議では『使途を明らかにできない支出がある』と自民党の議員が繰り返してきたが、茂木さん自身、2022年には10億円近く受け取っている。何に使ってきて、なぜ廃止できると判断したのか。 「政策活動費について、これまでも政策の立案であったりとか、広報活動、さらには党勢拡大に適正に使ってきた。今回、政治改革、政治資金問題に絡んでさまざまな課題が出てくる中、政策活動費のあり方について議論がされ、これについては10年後に公開をするということが決まった」 「私の経験からしても、これまで政策活動費として使ってきた費用、適正に使われている。これまで使用してきたものをこういう経費として使った、という形で表に出すことは可能だと考えている。仮に、どうしても相手のプライバシーであったり、さまざまな形で費用は明らかにできない、そういうお金があるとしたら、今後はそういった資金は使わない、そういう活動は行わないということにしたいと思う」記者会見で報道陣の質問を受ける茂木敏充氏=9月4日、東京都港区で(布藤哲矢撮影)
◆「裏金議員」の公認はどうする?
━「裏金議員」の選挙での公認をどうするか。「党として(裏金議員の)、処分については党内プロセスを経て決定した。まずは関係議員が、自身の政治活動の中で説明責任をしっかり果たすことが求められている。公認の問題、今の私がお答えできる立場にまだないが、自民党の場合、(衆院の)解散が決まってから公認は決まる。われわれは(選挙区支部の)支部長だが、公認を受けているわけではない。解散を行ってから公認を受ける。その公認の決定は党の選挙対策本部、もちろん総裁もメンバーだが、20人以上のメンバーで決める。その時点で厳正に判断したい」
◆金融所得課税強化「正しい方向性と思わない」
━「増税ゼロ」について。さまざまな財源を検討した結果、1兆円の国民負担が必要で防衛増税となったはず。金融所得課税について、総裁選の立候補予定者から(所得が多いほど実際の税負担率が下がる傾向がある)「年収1億円の壁」の見直しなどの意見が出ているが、茂木さんの意見は。「防衛力の強化や子育て支援策、これはしっかりと進めるということで政策の継続性は確保する。財源については、ここ数年の経済状況の改善であったりとか、さらなる経済成長を図っていきたいと考えている。生産性が1%上がると実質GDPは1%上がる。税収が1.4兆円上がる。2%なら2.8兆円だ。さらなる経済成長により税収アップや税外収入を拡大させる取り組み、これによって十分こういった財源は確保できる」 「金融所得課税の強化については、正しい政策の方向性だとは思っていない。今進めている貯蓄から投資への流れ、そして成長分野、政策分野への投資の拡大、私も強調したいと思っている。これに逆行すると考えている」
◆選択的夫婦別姓は「世論の集約が大切」
地元の自民党栃木県連から総裁選への立候補要請を受けた茂木敏充氏(中央)=8月28日、国会内で(佐藤哲紀撮影)
━選択的夫婦別姓についての考えは。どう党内の議論を進めるか。 「この問題は国民の間でさまざまな意見がある。国民世論、そして与野党の国会における議論の動向、司法の判断も含めてさらなる検討を進めていきたい」 ━茂木幹事長自身の考えは。 「この問題については、国民の間にさまざまな議論がある。総理が『こうだ』と決めてやる前に、もう少し世論の醸成、世論の集約が大切ではないか」 ━党の全ての収入・支出の「見える化」について、具体策は。 「先ほど政策活動費について話した。さらに詳細に収入の項目、支出の項目を見ることによって、その具体化を進めていきたい。政治資金の問題、これは法にのっとり適正に対応してきたつもりだが、今回こういった問題が起こり、国民の皆さんから大変厳しい目が向けられている。確かに政治活動の自由というものはある程度担保しなければいけない。しかし、より透明性のある政治をつくっていくという観点からこういう『見える化』が必要だという判断をした」 ━ご自身の資金管理団体「茂木敏充政策研究会」から、茂木敏充後援会総連合会に資金を移動したことが判明している。国会では「茂木方式」と呼ばれ、裏金化しているのではと批判がある。これを改める考え、規制する考えは。 「これまでは適法にやってきた。法律に沿って、そのような形にしてきた。一方で、そういう疑念を受けてはいけないということで、来年度から、例えば私の政治団体から後援会連合会に寄付をするということは行わない」 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。