立憲民主党代表選の日本記者クラブ主催討論会における4候補の発言要旨は次の通り。

立憲民主党代表選の討論会で写真撮影に応じる (左から)野田、枝野、泉、吉田の各氏(7日、東京都千代田区)

【冒頭発言】

野田佳彦元首相 めったにない、政権を取れる千載一遇のチャンスだ。この代表選は政権交代前夜の位置付けで戦いたい。経験を生かして政権交代の先頭に立つ。

枝野幸男前代表 人間中心の経済を掲げている。一人一人を大事にして日本経済を立て直す。明確なビジョンで国民の期待を集め、新しい時代を開く先頭に立つ。

泉健太代表 立民が政権を担う。政権前夜と言われるところまで党を再生でき、代表を3年間務めた意味があった。私が政権を担いたい。

吉田晴美衆院議員 教育で子どもたちに自由な環境をつくる。人のエネルギーが経済を活性化し、国民生活を底上げする好循環をつくりたい。

【野党連携】

泉氏 日本維新の会は自民党と立民の両にらみだ。衆院選前から一緒にやるのは難しい。共産党とは国家観や安全保障の考え方から、共に政権は担えない。国民民主党との連立は想定している。

吉田氏 衆院選で一対一の構図をつくるため、選挙協力は進めるべきだ。立民の内閣をつくりたいが、数が足りなければ事前にどの政党と組むか国民に示すべきだ。

野田氏 立民単独で政権を取れるという現状ではない。野党勢力の議席を最大化し、自公を過半数割れに追い込む。そのため、どの野党とも対話できる環境をつくる。穏健な保守層に支持を拡大した時に初めて政権交代のチャンスがある。

枝野氏 地域での連携で与党と一騎打ちとなるのが望ましいが、維新とはカジノや労働規制緩和、共産とは安保政策や天皇制に違いがあり、包括的な連携は難しい。国民民主とは労働者のための政治という共通点に立っているので、不断の努力で連携を強めたい。

【政治改革】

野田氏 政権交代こそが最大の政治改革だ。うみを出すのは自民の役割だができそうもない。政治を正し信頼を取り戻す。企業・団体献金廃止や政治資金パーティー、政策活動費を含む抜本的改革を実現する。世襲議員は政治資金を相続させないことで制限すべきだ。

枝野氏 裏金議員を選挙で落とすことがけじめになる。その上で政治改革の抜本的な法改正をのませる。情報公開、公文書管理を徹底する。

泉氏 政策活動費は廃止する。使途不明金は根絶すべきだ。政治資金を選挙区内で使える金額の上限を決め、公平公正なルールの中で政権交代が起こる国にしたい。

吉田氏 政治資金は民間企業と同様、領収書の全面公開と収支の監査をすべきだ。

【原発政策】

泉氏 (東京電力柏崎刈羽原発7号機の再稼働に賛成し)安全対策や地元合意などを全部満たさなければ当然稼働できないが、全てをクリアしたものを動かすのはあって良い。原発ゼロという高い理想を掲げるのはいいが、それだけでは何も変わらない。再生可能エネルギーに力を入れ、原発がなくてもよい社会をつくらなければならない。

吉田氏 できないと言っていたら、いつまでもできない。原発がない社会を目指すのは立民の党是だ。

野田氏 党は原発ゼロを掲げているが、私は公約で、原発に依存しない社会を実現すると表現した。理想を掲げながら、どう現実的に政策を進めるかの立場でいきたい。

枝野氏 再稼働を一切認めないという立場には立たない。原発ゼロと言うと明日にでもかなうと誤解を生む。一方で、綱領を変えると諦めたのかと思われるので、綱領はこのままで「原発に依存しない社会」を訴えていくべきだ。

【消費税】

吉田氏 時限的に3年間、消費を喚起したい。特に食料品は収入が低い世帯には税負担が重いので、非課税を検討する。

泉氏 給付付き税額控除で、中低所得者のみに税を戻すのが一つの考え方だ。食料品の税軽減も効果がある。

枝野氏 中長期的には「戻し税」の方が間違いなく良い。今の物価上昇は3%や5%のレベルではない。消費税率を下げても焼け石に水だ。複数税率はインボイス(適格請求書)制度が中小・零細事業者に多大な負担となっている。

野田氏 消費税の扱いは丁寧に議論すべきだ。基本税率を下げると、戻すのがすごく大変だ。給付付き税額控除が理想というのが今の到達点だ。〔共同〕

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