自民党の石破茂元幹事長(67)は10日の記者会見で、党総裁選(12日告示、27日投開票)への立候補を表明した8月の記者会見で原発について「ゼロに近づけていく努力を最大限にする」と述べたことについて、再生可能エネルギーの潜在力を最大限に引き出すことで「原発のウエイトが減っていくことが結果として起こり得る」という趣旨だったとして、「原発ゼロが自己目的なのではない。安定したエネルギー供給が国会にとっての生命線の一つであるという考え方に全く変わりない」と述べた。

報道陣の質問に答える自民党の石破茂元幹事長=10日、国会内で(佐藤哲紀撮影)

8月24日に地元の鳥取県内で開いた記者会見では、原発について「ゼロに近づけていく努力を最大限にする。再生可能エネルギー、太陽光であり風力、小水力、そして地熱、こういう可能性を最大限引き出していくことによって、原発のウェイトは減らしていくことができる」と話していた。ただ、その後のテレビ・ラジオ出演などでは、安全性を高めた原発の活用は否定しない考えも示し、発言を軌道修正していた。

◆「エネルギー自給率は太平洋戦争時より低い」

記者会見に臨む石破茂氏=10日、国会内で(佐藤哲紀撮影)

石破氏は「これから先、人口は減るが、電力需要は上がっていくと見込まれている。AI社会とはそういうものだ」と指摘し、「安定的にエネルギーが供給されるというのは国家にとって極めて重要なことであり、今のエネルギー自給率は太平洋戦争に突入した時よりも低いということを私は忘れることはない」と強調。「その中において、原発の安全性を最大限に高めるということ、そして潜在力がありながら十分に利用されていない地熱、小水力発電、そういうものの可能性を最大限に引き出していくということだ」と訴えた。 原発に関しては、「リプレイス(建て替え)にしても同様だ。小型の原発というものが、どこまで可能性があるのかということも、追求をしていかなければならない」とも語った。(宮尾幹成) 

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