兵庫県の斎藤元彦知事らが内部告発された問題で、日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は11日、告発者が亡くなったことや県政の混乱を招いたことなどを踏まえ、「(斎藤氏には)道義的責任がある」と指摘した。その上で、改めて辞職を求めた。

 吉村氏はこの日の会見で「政治家という立場であれば、結果に対して道義的責任を負うのは間違いない」と言及。県議会全会派が辞職を要求する見通しとなったことも踏まえ、「(知事職を)続投するのは適切ではない」との考えを重ねて示した。

 斎藤氏は6日に出頭した県議会調査特別委員会(百条委員会)で、「道義的責任」を問われ「道義的責任が何か分からない」と述べていた。

 また、吉村氏は告発者が作成した文書について「外部公益通報にあたる」とし、告発者探しに動いた県の対応は「違法行為」だったとの見解も示した。

 斎藤氏をめぐっては、維新は9日に辞職と出直し知事選の実施を申し入れた。吉村氏はこれに先立つ形で電話で出直し知事選に臨むよう説得したが、斎藤氏は知事の続投を表明している。

 この点について吉村氏は「残念に思う。間違っていることは間違っていると素直に認めて、辞職すべきだ」と語った。

 斎藤氏の続投表明を受け、県議会の各会派は不信任案提出の検討を加速させている。県議会最大会派の自民党は斎藤氏が辞職要求に応じない場合、定例議会開会日の19日に不信任決議案を提出し、採決まで行う方向で他会派と調整している。

 可決されれば、斎藤氏は議会を解散するか、失職かの選択を迫られることになるが、吉村氏は「今の状態のままでの議会の解散は県民の理解が得られるものでは全くない」と述べた。(野平悠一)

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