政治とカネ・党改革について

自民党総裁選挙は立候補した9人が13日、共同記者会見に臨みました。

今回の総裁選挙では政治とカネの問題を受けた党改革や政治改革のあり方が争点の1つとなっていて、政治資金収支報告書に不記載があった議員への対応をめぐっても議論が行われています。

高市経済安全保障担当大臣は「党で調査し検察も捜査したことであり、処分を覆すことはしない。再発防止策の徹底に努め特定の人が資金を配分することがないようにし、公正に使途をチェックしたい」と述べました。

小林鷹之氏は「『党近代化実行本部』をただちに立ち上げ、罰則のあり方を含めたルール整備を早急に進める。人事のあり方の刷新や政策実現で結果を出し、信頼回復に努めたい」と述べました。

林官房長官は「党のガバナンスコードに書いてあるように、それぞれの議員が説明責任を果たすことが大事だ。政治改革と政策を実行し説明していくことで、党の信頼回復を進めたい」と述べました。

小泉進次郎氏は「政策活動費を廃止するほか、旧『文書通信交通滞在費』の使いみちを公開し、残金は国庫への返納を義務づける。不透明なお金の流れはもうやめよう」と述べました。

上川外務大臣は「第三者機関によるチェックを徹底し、民間企業に匹敵する高いコンプライアンスを実現する。透明性の高い政治活動を先頭に立って実践し信頼回復に全力を挙げる」と述べました。

加藤元官房長官は「政党交付金から不記載相当分を国庫に返納し責任を果たす。政策活動費と旧『文書通信交通滞在費』は公開し、未使用分は返す。第三者機関については国会に独立した機関をつくる」と述べました。

河野デジタル大臣は「不記載額を国庫に返納することでけじめをつけたい。非課税の政治に関するカネは領収書を付けて報告することで、政治への信頼を取り戻したい」と述べました。

石破元幹事長は「有権者は決して納得しておらず、国民への説明責任は総裁も負う。政党がどうカネを集めて使うのかなど政党のガバナンスを律する法律の制定が急務だ」と述べました。

茂木幹事長は「二度と同じ問題を起こさないよう党の規律、運営体制、財務体質をゼロベースで見直す。政治資金の透明性をさらに高めるため政策活動費は廃止したい」と述べました。

9人の候補者は今回の問題の再調査や収支報告書に不記載があった議員への処分の見直しについて否定的な考えを示しました。

労働市場の改革について

人手不足への対応や賃上げの実現に向けた労働市場の改革も焦点で、いまの制度は多様な働き方の実態にあっていないのではないかという指摘もある中、従業員の解雇規制を緩和するかどうかなどについての主張にも関心が集まっています。

高市氏は「『在職老齢年金制度』の廃止や『年収の壁』の見直しなど、働く意欲をそがない制度へと見直す。女性もさまざまな働き方が選べるよう家事や育児などと両立ができる制度を整える」と述べました。

小林氏は「安易な解雇規制の緩和は働く人を不安にさせかねず慎重であるべきだ。リスキリングの充実やマッチング機能の強化で失業なき労働移動を行うのが筋だ」と述べました。

林氏は「解雇無効時の金銭救済制度は政府内で議論されている。金銭の支払いによって解雇を許容するものではなく、あくまで解雇が無効となった労働者の希望に応じてどういう制度を作るかということだ」と述べました。

小泉氏は「労働市場の改革が必要だが解雇の自由化を主張する人は私を含め誰もいない。大企業にリスキリングなどを義務づけ、前向きな労働市場を作らなければならない」と述べました。

上川氏は「一方的な解雇を、お金で自由に行うことはあってはならない。年齢や性別にかかわらず、家庭やプライベートを両立させることができる雇用環境を整備していく」と述べました。

加藤氏は「労働市場の流動化や成長産業への労働移動の円滑化は国民の所得倍増にもつながるので進めたい。働く人がキャリアアップできる政策や制度を実現する」と述べました。

河野氏は「国民の所得を増やすための躍動感ある労働市場をつくらなければならない。契約社員や派遣社員がより付加価値の高い仕事にスキルアップをするためセーフティーネットが必要だ」と述べました。

石破氏は「同一労働同一賃金の観点から、非正規はなるべく減らさなければならない。非正規の人にも社会保障が提供される機会を作らなければならず、段階的にやっていきたい」と述べました。

茂木氏は「転職することが普通な社会をつくっていくことが先決だ。スタートアップ企業をもっと支援し、副業を解禁し、ハローワークの抜本改革を進めることが必要だ」と述べました。

9人の候補者は、14日は日本記者クラブが主催する公開討論会に臨むことになっています。

自民総裁選 候補者の推薦人一覧

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