23日、運用大手の経営トップとパネルディスカッションに臨む岸田首相(右から2人目、ニューヨーク)

【ニューヨーク=永富新之丞】岸田文雄首相は23日午前(日本時間同日夜)、訪問中のニューヨークにあるブルームバーグ本社で資産運用大手各社とのパネルディスカッションに参加した。日本への投資を海外投資家に呼びかけた。

首相は英語で人気SFシリーズ「スタートレック」のセリフを引用し「誰もやったことのないような、日本への大胆な投資を」と訴えた。岸田政権で掲げた「資産運用立国」の実現に向け、自らの首相退任後も日本政府は推進すると表明した。

資産運用立国は年金基金など資金の出し手と運用会社の改革を柱とする政策だ。金融資産からも所得を得られるようにする狙いがある。

ディスカッションには日米の資産運用企業幹部が参加した。

米大手投資会社ブラックストーンのジョン・グレイ社長兼最高執行責任者(COO)は資産運用立国構想や企業統治改革は「ホームランだった。(大谷翔平選手が活躍する)ドジャースと同じく、私たち投資家も日本から多大な恩恵を受けている」と話した。

日本の主要企業が非中核事業の売却などに前向きになっており、投資機会が増えていると説明した。

首相は日米の金融関係者が意見交換する「資産運用フォーラム」の設立に向けた調印式にも臨んだ。フォーラムは10月3日に都内で初開催し、これから毎年開く見込みだ。

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