【詳しく】自民新総裁に石破茂氏 高市氏を抑え選出

《海外からは》

中国外務省「理性的な対中政策を望む」

中国外務省の林剣報道官は記者会見で日本の内政についてはコメントしないとした上で、「中日関係が長期的に安定して発展することは両国民の根本的な利益に合致し唯一の正しい選択だ。中国に対する客観的で正確な認識を確立し、前向きで理性的な対中政策が行われることを望む」と述べました。

また、石破氏が先月、台湾を訪れて頼清徳総統と会談したことについては「中国は日本の政治家が台湾を訪れることに一貫して断固反対でこの立場は明確だ」と述べました。

韓国大統領府「引き続き協力していく」

韓国大統領府は「新たに発足する日本の内閣と緊密に意思疎通しながら、韓日関係の肯定的な流れを続けていくため、引き続き協力していく。両国は自由、人権、法の支配の価値を共有し、安全保障や経済、地球規模の課題で共同の利益を追求する最も近い隣人でありパートナーだ。両国が前向きな姿勢で未来志向的な関係を発展させるために、ともに努力することを期待している」とするコメントを発表しました。

《国内からは》

経団連 十倉会長「手腕に大いに期待」

経団連の十倉会長は「石破氏は地方創生や防衛分野をはじめとする幅広い政策に精通しており、経験豊富な政治家だ。変革を推し進めるにふさわしいリーダーといえ、その手腕に大いに期待する」というコメントを発表しました。

その上で「わが国はデフレからの完全脱却に向けた正念場を迎えている。国内の産業活動の基盤となるエネルギー政策、とりわけ原子力の最大限の活用などは欠かせない。また、将来不安の払拭に向けた公正・公平で持続可能な全世代型社会保障制度の構築や多様性を尊重する社会づくり、被災地の復興支援なども急がれる。こうした課題を前に、政策を迅速に推進できる安定した政治の態勢が確立されることを期待する」としています。

日本商工会議所会頭 “経済転換を一緒に”

日本商工会議所の小林会頭は「石破氏は政策通で議員の経験も長く、さまざまな課題から逃げずに正面から取り組む姿勢を評価してきた。これから安定的な政策運営をお願いしたい」と述べました。

その上で「日本は経済的に岐路にあり、経済の好循環や賃上げ、それにエネルギー政策や社会保障、あらゆる面で転換が必要な時期だ。経済政策に関してはデフレの30年を転換すべく始動しており、賃上げを含めて前向きな経済成長に向かって一歩を踏み出せたところで、新総裁と一緒にこれを進めていきたい」と述べました。

また、石破氏が地方創生を訴えていることについては「中小・零細企業への支援など地方活性化に向けた取り組みを二人三脚で進めていきたい」と述べ、地方の活性化が進むことに期待を示しました。

日本取引所グループCEO「政策の継続や新しい施策に期待」

日本取引所グループの山道裕己CEOは定例の会見で「日本は過去20数年間にわたってデフレに悩んできたが、安倍・菅・岸田の3政権のさまざまな努力によって、賃金と物価の好循環に入っているかを確認しようというところまできている。新しい総裁もその認識は持っているはずで、日本を前に進める政策の継続や新しい施策に期待している」と述べました。

また、石破氏が以前、金融所得課税に言及したことについて問われると「そうした発言があるのは報道では承知している。ただ、詳細な内容が分かっていないので現時点では何かをコメントする状況ではない」と述べました。

日本郵政 増田社長「強力なリーダーシップを」

日本郵政の増田寛也社長は「今、日本が抱えている問題は外交・安全保障、デフレ経済からの脱却、財政、社会保障の持続可能性の確保など多岐にわたる。こうした問題について骨太な大きな絵を描いて、強力なリーダーシップを取って国を導いていただきたい」と期待を寄せました。

また、人口減少の問題について「このままでは東京と地方の対立が激化し、地方の存在感が今後、希薄になる気がする。地方の問題に非常に詳しい方なので、これまでの知見や感覚を生かして国をリードしていただくことを期待している」と述べました。

横田早紀江さん「拉致問題 一番に取り組んで」

47年前、中学1年生の時に北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの母親の早紀江さん(88)は「これまで何人もの総理大臣に拉致問題の解決をお願いしてきました。ここまで来たら本当に解決してもらわないといけません。40何年間という重い年月のある拉致問題に一番に取り組んでいただきたい」と話しました。

その上で「日朝首脳会談に向け、北朝鮮が『いいかげんなことはできない』と思えるような形をしっかり作ってほしい」と求めました。

松本京子さんの兄・孟さん「帰国に力を尽くしてほしい」

1977年に北朝鮮に拉致された鳥取県米子市の松本京子さんの兄の孟さんは、「総裁が交代したということは1つのチャンスが訪れるかもしれない。妹は46年間の長きにわたって北朝鮮に留め置かれて、どんな境遇にいるのかも分からない。一日も早く帰れるように力を尽くしてほしい」と話しました。

全国知事会「希望と安心に満ちた未来を」

全国知事会は「人口減少対策の推進や子ども・子育て政策の強化、相次ぐ災害からの復旧・復興の加速化など、国と地方が手を携えて協力して取り組まなければならない課題は、多岐に及ぶ。強いリーダーシップを発揮して、わが国全体と各地域を力強く発展させ、希望と安心に満ちた未来を切りひらいてもらうことを強く期待している」とするコメントを出しました。

鳥取県 平井知事「辣腕をふるってもらいたい」

鳥取県の平井伸治知事は、石破氏の支援者の会合で「普段選挙では泣かないが、きょうは泣いた。皆さんと喜びを分かち合いながら、次の日本を私たちの手で作っていこう」と呼びかけました。

このあと平井知事は報道陣に対し、「地方を歩み続けて政権の中枢に立たれた石破新総裁こそができる仕事を成し遂げてもらうために、我々はエールを送りたい。人口減少問題や防災の課題、これからの経済対策などで辣腕をふるってもらいたい」と期待を寄せていました。

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