米国に向け羽田空港を出発する岸田首相と妻の裕子さん(左端)=8日午後

 日米両政府は「小型モジュール炉(SMR)」などの次世代型原発の研究開発で協力する方針を固めた。岸田文雄首相とバイデン米大統領がホワイトハウスで10日に行う首脳会談で合意する見通し。浮体式洋上風力発電の大量生産に向けた産学連携でも一致する。クリーンエネルギー分野で協調するため、閣僚級対話の創設も決める。複数の政府関係者が8日、明らかにした。首相は米国に向け政府専用機で羽田空港を出発した。

 日本の首相が国賓待遇で訪米するのは9年ぶり。岸田政権は、緊密な日米関係を国際社会にアピールする機会と位置付けている。首相は出発前、官邸で記者団に「日米関係が盤石だということを確認したい」と述べた。

 11日の日米フィリピン3カ国による初の首脳会談では、日米でフィリピンでのSMR設置に向けた調査や原子力人材育成を支援することで合意する。フィリピンは電気自動車(EV)の電池の材料などに用いるニッケルが豊富で、サプライチェーン(供給網)の強化も確認する。首脳会談に先立ち、閣僚級で議論し、合意事項を擦り合わせる。

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