林芳正官房長官は26日の記者会見で、岸田文雄首相が5月1〜6日の日程でフランス、ブラジル、パラグアイの3カ国を訪問すると発表した。パリで経済協力開発機構(OECD)の閣僚理事会に出席するほか、南米で「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国との関係強化を唱える。
日本は2024年にOECD閣僚理事会の議長国を務める。林氏は首相の会合出席の狙いを「国際社会が直面する経済社会分野の諸課題の解決に向けた議論を主導する」と説明した。南米訪問では2国間関係と国際情勢をめぐる連携を強めたい考えを示した。
首相は2日にOECDの閣僚理事会で基調演説し、人工知能(AI)など国際ルールづくりの重要性を訴える。24年は日本がOECDに加盟してから60年の節目に当たる。フランスのマクロン大統領との首脳会談にも臨む。
3日はブラジルの首都ブラジリアを訪れる。ルラ大統領と会談し、24年にブラジルが議長国を担う20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に向けて意見を交わす。脱炭素分野で包括的な協力を打ち出す見通しだ。
パラグアイは南米で台湾と外交関係がある唯一の国で、中国と距離を置く。対中国を念頭に貿易の拡大を軸に関係を強める。
改めてブラジルに戻り、4日にサンパウロで日本の首相として10年ぶりとなる中南米政策に関する演説を予定する。
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