組閣を終え、記者会見に臨む石破茂首相=10月1日夜、首相官邸で(平野皓士朗撮影)
1日夜の就任記者会見で、自らの内閣を「納得と共感内閣」と命名した石破茂首相(自民党総裁)。会見では、党派閥の政治資金パーティー裏金事件にかかわった議員を次期衆院選で公認するかどうかも問われた。 だが、首相は「選挙区でどれくらいの支持をいただいているのか把握しながら、公認するか否かを決定する。必要であれば、公認権者である私自身が国民に納得していただけるような説明をする」と述べるにとどめ、総裁選中に含みを持たせた「非公認」については言及を避けた。 首相は、8月下旬に総裁選への立候補を表明した際は「公認にふさわしいかの議論は徹底的に行われるべきだ」と、非公認とする可能性もちらつかせたものの、裏金事件に関与した議員の多い旧安倍派から猛反発を受け、すぐにトーンダウンしていた。 「裏金議員」の公認に関する質疑は以下の通り。(デジタル編集部)◆「国民の不信は強いと、全国を回って思っている」
―国民の多くが納得していない派閥の裏金事件の再調査をするのかしないのか。実態解明をしないまま、次期衆院選で裏金事件で処分を受けた議員を公認することに有権者の理解が得られるのか。 「これは総裁選挙の最中、申し上げてまいりました。そして就任後も何度か申し上げたことでありますが、新しい事実ということが判明をしたとすれば、それは調査ということが必要だというふうに認識をいたしておるところでございます。そういうようなことに今、立ち至っているというふうには認識をいたしておりません。必要があればそういうことも行いますが、現在そういう状況にあるというふうには承知をしておらないところでございます。しかしながら、ご指摘のように、そういうことを申し上げましても、国民の皆さま方が納得をした、共感を得たというふうな状況にはないことも認識をいたしておるところでございます」石破茂首相の記者会見で挙手する報道陣=10月1日夜、首相官邸で(平野皓士朗撮影)
「私といたしましては、そういうことについてのさらに新しい事実が出てくれば、それを解明しなければならない、そしてそういうことが出てこなかったとしても、国民の皆さま方は共感をしておられない、これは個々の議員ということもございますが、『自由民主党ってどうなっているの』というような、そういうような不信も強いというふうに全国を回って思っております。実態はこうであったと、裏金というものがきちんと政治資金収支報告書に記載をされた、どこから入り、どこへ出て、どう使ったのかということが明らかになったということでありますが、それだけではなくて、国民の皆さま方が納得をしていただけるように、そしてどうすればこういうことが再び起こらないかということも含めて、総裁たる私が説明をしてまいりたいと思っております」 「公認問題につきましては、それは私どもの党といたしまして、選挙区においてどれくらいのご支持をいただいているのかということをきちんと把握をしながら、公認するか否かということを決定をいたしてまいります。必要であれば『その方々が説明しなさいよ』ということではなくて、公認権者であります私自身が、国民の皆さま方に納得していただけるような説明をいたしてまいります」◆「時間的余裕については、かなり厳しいと認識」
―非常に時間的な制約がある中で、議員や都道府県連への聞き取りなどが可能なのか。記者会見する石破茂首相=10月1日夜、首相官邸で(平野皓士朗撮影)
「時間的余裕については、かなり厳しいという認識は持っております。したがいまして、そういう方々がどういう形で『入りと出』というものを明らかにしたか、そしてまた間違ってもそれを政治資金以外に使ったことがないかどうか、そしてどうすればこういうことがもう起こらないようにするかという認識を、きちんと伺いたいと思っております。ですから、そういう方々に対しまして、こういうことについてどう思いますかということ(に対する説明)をあらかじめ提出していただき、厳しい時間の制約はございますが、公認権者たる私の責任として、それぞれの方がどういうことで今回選挙を臨むのかということについては、私も説明をする義務を持っているというふうに考えているところでございます」 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。