富士山・吉田ルートの登山規制で、山梨県の長崎幸太郎知事が来夏からの通行料引き上げなどの検討を表明したことについて、地元の富士吉田市の堀内茂市長は3日、地元との協議前だとして表明は「時期尚早ではないか」と苦言を呈した。

 定例会見で報道陣の質問に答えた。

 堀内市長は規制が導入された今夏の状況について、「まだ地元関係者の意見はまったく集約できていない」とし、「先走られても困る。この夏のデータがそろって地元と一緒に考えてから、提案してほしかった」と不快感を示した。

 ただ、登山規制自体は「素晴らしい結果が出た」と評価。通行料と任意の協力金の統合案にも理解を示した。

 これとは別に、県が富士山での登山鉄道構想をめぐり9月に公表した報告書で、40年間で約6千億円の黒字を確保できるなどとした試算について、堀内市長は「捕らぬタヌキの皮算用」と一蹴した。

 堀内市長は、富士山ではスラッシュ雪崩などの自然災害による道路の復旧などに、多額の費用を要していると指摘。試算を「自然の脅威に対する保全対策の金額が全然入っていない。絵に描いた餅で、甚だ残念だ」と批判した。登山鉄道に反対する市民団体の顧問を務めていることから「余計に反対運動が一生懸命にできる」とも述べた。(豊平森)

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