立憲民主党の泉健太代表は29日の大阪市内の講演で、岸田政権について「信に値しないと明確にしたい」と述べ、衆院3補欠選挙での勝利を追い風に衆院解散・総選挙に追い込む考えを示した。一方、今回の3勝は「敵失」「不祥事の追及だけで風に乗った」との見方もあり、その勢いを維持できるかが問われている。
泉氏は1年前の5月、次期衆院選で現有議席の1・5倍となる150議席を達成できなければ、「代表の立場にない」と宣言。党の擁立目標は200議席だが、150議席を下回れば代表を退く可能性に言及した。
補選に全勝したとはいえ、朝日新聞世論調査(4月)の政党支持率は、自民が26%なのに対し、立憲は6%と隔たりは大きい。「代表選が近づけば顔を代える動きが出てくる」(衆院中堅)との声もある。泉氏は9月の代表選より前に衆院解散に追い込みたい考えで、「まずは山を越える。代表選はそれからだ」と周囲に語る。
今回、立憲に2敗を喫した日本維新の会への対応も課題だ。泉氏はこの日、維新に「立憲と争う構図は功を奏さない。自民党に対する主張の方が、政治を変える力になるのでは」と秋波を送った。(伊沢健司、吉川喬)
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