共産党が立憲民主党への再接近を図っている。衆院選での対決姿勢から一転し、特別国会の首相指名選挙は決選投票で立民の野田佳彦代表に投じる構えだ。背景には、自公政権打倒の目標に加え、党勢低迷への焦りがある。ただ、従来の共闘路線に戻っても議席増につながるとは限らず、当面は模索が続きそうだ。

 共産の田村智子委員長は10月30日、野田氏との会談で決選投票での協力要請を受け、事実上承諾した。政治改革推進などの一致点を挙げ、衆院選で批判していた野田氏の姿勢については記者団に「選挙結果が出た後ではおのずと対応が変わる」と釈明した。

 衆院選で共産は安全保障関連法の廃止に慎重な野田氏に反発し、立民との競合をいとわず小選挙区に213人を擁立。比例票の上積みを狙ったが、小選挙区1と合わせた議席数は8で2減。田村氏は「力不足を痛感する」と肩を落とす。

 一方、立民は142選挙区で共産と競合しながら、比例と計50議席増と躍進した。立民内には「共産と共闘する必要はなくなった」(ベテラン)と強気な声も上がる。

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