防衛通信衛星「きらめき3号」が予定の軌道に投入され、打ち上げに成功したことで、防衛省が計画していた3基態勢が完成した。高速で大容量な通信が可能になり、部隊間の連携強化につながる。
自衛隊の衛星通信はこれまで民間の商用衛星を用いていたため、通信容量で制約があった。現代の部隊運用や戦時に不可欠な大容量通信の必要性に対応するため、2017年から防衛省・自衛隊のみが使うきらめきの打ち上げを始めた。
4日に打ち上げられたきらめき3号は軌道上での性能試験などを経て、24年度中に運用を開始する予定だ。3基態勢になることで、自衛隊が主に活動する太平洋からインド洋をカバーし、つながりやすくなる。
安全保障における宇宙空間の重要性は高まっており、防衛省・自衛隊は対応を急ぐ。22年末に定めた安保関連3文書では強化する分野の一つに宇宙を挙げた。
航空自衛隊は22年3月に人工衛星や宇宙ごみを監視する宇宙作戦群を設けたほか、27年度までの「航空宇宙自衛隊」への改称を見据え、25年度には宇宙作戦団(仮称)をつくる予定だ。
多国間連携も強化する。24年3月には初めて北大西洋条約機構(NATO)などによる多国間宇宙演習「アステリクス」に参加した。衛星通信の妨害といった宇宙空間で起きうる脅威を分析した。
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