<政治とカネ考・課題と展望>②  10日の首相公邸。石破茂首相(自民党総裁)は与党が過半数割れした衆院選を受け、日本維新の会の馬場伸幸代表との会談に臨んだ。野党第1党の立憲民主党よりも先に開催するという配慮のもと、「政治改革について協議させてほしい」と低姿勢で申し出た首相に、馬場氏はこう通告した。「約束を反故(ほご)にされた以上、予算案や法案の審議に協力するつもりは全くない」

新人の衆院議員だった3年前に旧文通費の改革を提起し、「年内に決着できるかで与野党の本気度が問われる」と語る小野泰輔氏=12日、東京都内で

 馬場氏が言及した「約束」とは、通常国会中の5月31日に岸田文雄前首相と交わした合意文書のことだ。  両者は当時、全議員に毎月100万円が支給される旧文書通信交通滞在費(調査研究広報滞在費)の使途公開と残金返納を義務付ける立法措置を講じることなどで合意。維新は、自分たちの主張が受け入れられたとして、衆院では自民提出の政治資金規正法改正案に賛成した。  ところが、自民は「時期までは約束していない」と強弁。怒った維新は参院の採決で反対に回るなど、異例のドタバタ劇となった。

◆「在職1日でも100万円」が発端

 そもそも旧文通費が争点となったのは、...

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