自民党と公明党は15日、11月中にまとめる経済対策を巡り日本維新の会、国民民主党と相次いで政策協議した。衆院選で自公が過半数割れとなり、円滑な成立へ野党との調整が必要になった。与党内には野党の要望を受け入れる結果、経済対策の規模が膨らむとの警戒論がある。
自公は経済対策案を説明した。自民党の小野寺五典、公明党の岡本三成の両政調会長が国会内で維新の青柳仁士政調会長代行、国民民主の浜口誠政調会長とそれぞれ顔を合わせた。小野寺氏は立憲民主党の重徳和彦政調会長とも面会した。
経済対策案には電気・ガス料金への補助再開、住民税の非課税世帯を対象に1世帯当たり3万円を目安に給付金を支給することを盛り込んだ。
自公は国民民主との連携を軸に協議を進めており、国民民主には経済対策案に同党側の要望をどう反映したかを伝えた。18日にも自公国3党の会合を再度開いて国民民主からの意見を聞く予定だ。
自公は少数与党で単独で予算案や法案を可決できない。経済対策の裏付けとなる24年度補正予算案に野党の意見を反映して賛成を取り付ける狙いで、複数の野党とも個別に協議する。
石破茂首相は第2次内閣が発足した11日、記者会見で「できるだけ多くの党の理解を得て、丁寧にそして謙虚に国民の安心と安全を守るべく取り組んでいく」と述べた。幅広い合意形成を図るように小野寺氏に指示した。
能登の復興・復旧対策の費用や高速道路料金の柔軟化の対策も入れることで野党の理解を得ようとの姿勢をみせる。
首相は補正予算案に関し、2023年度補正の13兆2000億円を超えると明言している。野党側の主張をのむことで予算が膨らむ可能性もある。自民党の12日の政調全体会議では出席した議員から「財政規律をしっかりと考えるべきだ」との意見も出た。
自公は国民民主と12日に初協議した。国民民主は「年収103万円の壁」の解消やガソリン減税などといった税制措置を求める。再生エネルギーの賦課金の一時停止などによる電気料金の引き下げも訴える。
与党はガソリンや電気料金を巡り補助金での支援を継続する構えだ。なお国民民主とは隔たりがある。
立民は独自の経済対策を発表している。半年間で7兆円以上の規模で、うち低所得者への支援などに5兆円超を計画する。自民党幹部は民主党政権時代の子ども手当よりも規模が大きいと指摘し、距離があるとの見方を示す。
維新は高校授業料の無償化で3000億円程度が必要だと主張する。衆院選の公約には将来的に消費税の5%への引き下げを盛り込んだ。
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