オーストラリア北部のダーウィンを訪れている中谷防衛大臣は、日本時間の17日午前、マールズ国防相やアメリカのオースティン国防長官と、日米豪3か国の防衛相会談を行い、共同声明を発表しました。

それによりますと、中国が東シナ海や南シナ海で軍事活動を活発化させていることを受け、地域の不安定化をもたらす行動に深刻な懸念を示すとともに、力や威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対しています。

また、自衛隊と両国の軍隊があらゆる事態で連携できるよう、「日米豪防衛協議体」という新たな枠組みを設けることで一致し、今後、閣僚級協議を定期的に開いたり、緊急事態を想定した机上演習を行ったりしていくことになりました。

さらに、陸上自衛隊の水陸機動団を交えた3か国の共同訓練を来年から毎年行うことや、北朝鮮などを念頭にしたミサイル発射情報の共有、それにインドやフィリピンを交えた防衛協力の推進などが盛り込まれました。

中谷防衛相「抑止力と対処力強化へ 共同能力高めること必要」

中谷防衛大臣は会談のあとの共同記者会見で「地域の安全保障環境が非常に厳しく、複雑になっている中で、抑止力と対処力の強化に向け、自衛隊、米軍、オーストラリア軍の共同能力を着実に高めることが必要だ」と述べました。

その上で「新たに設立した枠組みも活用しながら、アメリカの次期政権とも強固な信頼関係を構築し、日米豪の連携を深化させていくとともに、地域の同志国との重層的なつながりを強化していく」と述べました。

米 オースティン国防長官「情報共有や監視活動の強化図りたい」

アメリカのオースティン国防長官は記者会見で、アメリカ軍とオーストラリア軍による共同活動に日本の関与が増すことを歓迎した上で「3か国における情報共有や監視活動の強化を引き続き図っていきたい」と述べました。

また、オースティン長官は、アメリカ、イギリス、それにオーストラリアでつくる安全保障の枠組み、AUKUSに関連して、AUKUSの柱の1つである先端技術の分野で日本との協力が早期に進むことに期待を示した上で「われわれがともに取り組むことができるものは数多くある」と強調しました。

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