前市長の岩倉博文氏(74)が健康問題を理由に任期途中で辞職したことに伴う北海道苫小牧市長選は8日投開票され、無所属新顔で前市議の金沢俊氏(50)が、無所属新顔で前市職員の田村一也氏(49)を破って初当選した。当日有権者数は14万247人。投票率は38・70%(前回の2022年は33・99%)だった。金沢氏の任期は8日から4年間。10日に初登庁する。
当選を決めた金沢氏は「短期決戦だったが、皆さんのご支援で勝利できた。岩倉市政を引き継ぎ、今ある課題にしっかり取り組み、挑戦して新しい苫小牧の未来をつくっていく。まだまだ伸びしろがあり、今後も選ばれるまち、人口20万人都市をめざして頑張っていく」と抱負を述べた。
金沢氏は、5期18年の岩倉市政を与党市議として支え、岩倉氏から後継指名を受けた。子育てや教育の支援を拡充する「子どもど真ん中」政策など七つのビジョン、34項目91の施策を掲げ、企業支援や経済振興で人口増加に挑戦すると訴えた。自民、公明両党の地元支部の推薦を受け、両党の道議、市議らのほか支持を表明した経済団体やスポーツ団体など厚い保守地盤を背景に優位に戦いを進めた。
田村氏は、苫小牧地区連合の事務局長を務めるなど労働組合運動でも活躍したが、立候補表明が11月23日と出遅れた。「より市民の声を生かした市政への転換」を訴え、労働組合や立憲民主、社民両党が組織的に支援し、共産党の自主的な応援も受けたが、知名度不足を解消できなかった。
今回の市長選は41年ぶりに新顔が争った。金沢氏を与党が、田村氏は野党がそれぞれ推す与野党対決の構図は2010年以来となった。
苫小牧市長選の確定得票
当 28,879 金沢 俊 50 無新 (1)
24,925 田村 一也 49 無新
(確定得票)
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