この中で岸田総理大臣は、最初の訪問先フランスで出席したOECDの閣僚理事会に関して「議長国として『変化の流れの共創』というテーマのもと、気候変動、デジタル・AI、自由貿易、経済安全保障などの課題について議論を主導した」と述べました。

その上で、日本の呼びかけで生成AIの活用推進と課題の解決に向けたルールづくりを議論する国際的な枠組みを創設できたことなどに触れ「重要な成果だ」と強調しました。

また、日本の総理大臣として10年ぶりに行った中南米諸国との関係強化に向けた政策スピーチについて「多様な道のりを尊重しながら、日本と中南米が取り組むべき具体的な協力のビジョンを発信した」と述べました。

さらにフランス、ブラジル、パラグアイとの個別の首脳会談で、それぞれ安全保障や経済協力、人的交流などで進展が得られたことなどを説明しました。

そして「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化し『人間の尊厳』を守る世界を実現する。この根源的な共通の目標に向け、日本は中南米諸国を含めた各国に対して、多様性や包摂性のある日本らしいきめ細かい協力を行っていく」と述べました。

その上で「今後も『平和国家日本』だからこそ進めることができる協調の国際社会に向けた首脳外交に全力で取り組んでいく」と決意を示しました。

「日中韓サミットなどの開催に向け3か国で調整続けていきたい」

岸田総理大臣は記者会見で、2019年以来となる日中韓3か国の首脳会議や、日中首脳会談の開催について問われ「いま現在、日程など何ら決まったものはない。わが国としては引き続き、議長国である韓国の取り組みを支持しながら日中韓サミットなどの開催に向けて3か国で調整を続けていきたい」と述べました。

「政治資金規正法 今国会中の改正に向け全力」

岸田総理大臣は記者会見で「政治資金規正法は、再発防止に向けた改正が喫緊の課題であり、今国会中の改正に向けて全力を挙げる。それ以外の論点についても、大型連休明けからの政治改革特別委員会での議論に資するよう、あすの帰国当日にも、自民党の政治刷新本部のメンバーと面会し、さらに何をすべきか改革の方向性を確かなものにしていきたい」と述べました。

さらに旧「文書通信交通滞在費」の改革をめぐり「自民党に対し、支出可能経費の確定や支出の公開のあり方などの残る課題について、各党・各会派間で議論を再開するよう、すでに指示を出している。早期に結論を出せるよう、各党と議論を行っていく」と述べました。

「任期中の憲法改正実現の思い 変わりない」

憲法改正に関しては「総理大臣の立場から憲法の議論の進め方などについて直接申し上げるのは控えなければならないが、自民党総裁として申し上げるなら、任期中に憲法改正を実現したいという思いは、いささかも変わりはない」と述べました。

その上で「自民党としては、条文起草のための機関を各会派の理解を得て設置し、憲法改正の原案を作成するとの党の方針にのっとって取り組んでいて、時間的制約がある中でも1歩でも議論を前に進めるため最大限努力していきたい」と述べました。

衆院解散など問われ「内外の課題に結果出すこと以外考えず」

ことし秋に予定される自民党総裁選挙への対応や、衆議院の解散について問われ「政治改革の実行や経済対策などの先送りできない課題、さらに外交を含めた内外の諸課題について、全力で取り組むことに専念していくと申し上げている。こうした課題について結果を出すことが重要で、それ以外については現在考えていない」と述べました。

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