衆院法務委員会は12日、離婚後も父母双方が子の親権を持つ「共同親権」の導入を柱とする民法などの改正案について、自民、公明、立憲民主、日本維新の会各党が共同提出した修正案を賛成多数で可決した。法案は16日の衆院本会議で可決、参院に送付される見通しだ。
共同親権導入を巡っては、「離婚後もDV(家庭内暴力)が継続する」との反対意見が根強い。立民の修正要求を踏まえ、付則には共同親権の選択について「父母双方の真意」を確認する措置を検討することを盛り込んだ。
改正案は、離婚後の「単独親権」のみを認める現行法を見直し、父母が協議して共同親権も選択可能とする。父母の意見が一致しない場合、家庭裁判所が「子の利益」を踏まえて判断。DVや虐待などの恐れがある場合、家裁は単独親権としなければならない。
共同親権の場合、子に関する決定には父母双方の合意が必要。ただ、監護・教育に関する「日常の行為」や、DVからの避難など「急迫の事情」がある場合は単独で親権を行使できる。
法務委は採決に当たり、付帯決議を採択。「日常の行為」「急迫の事情」の内容をガイドライン(指針)などで明らかにするよう求めた。家裁がDVや虐待を適切に判断するため、裁判官や調査官の増員なども要求した。
「共同親権」の導入を柱とする民法改正案が賛成多数で可決された衆院法務委員会=12日午後、国会内
衆院法務委員会で「共同親権」を導入する民法改正案が可決され、一礼する小泉龍司法相=12日午後、国会内
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