木原稔防衛相は10日の記者会見で、ドローン(小型無人機)が海上自衛隊の護衛艦「いずも」を撮影した問題について説明した。「日本の防衛に重大な支障を生じさせかねないことから極めて深刻に受け止めている」と話した。

映像は3月に中国の動画配信サービス、Bilibili(ビリビリ)に投稿された。防衛省は9日、映像に映し出された艦艇や建物などの周辺環境を分析した結果、実際に撮影された映像である可能性が高いと明かした。

木原氏は問題を受けて、ドローンの探知や操縦妨害ができる新たな装備を早期に導入する方針を示した。「基地警備により万全を期していく」と強調した。

防衛省はこれまで偽映像の可能性に触れていた。木原氏は4月2日の記者会見で「悪意を持って加工、捏造(ねつぞう)されたものである可能性を含めて現在分析中だ」と述べていた。

木原氏は5月10日の記者会見で、4月の発言に関しロシアによるウクライナ侵略などでの偽情報などを踏まえたと言及した。「日本に対する悪意を持った影響力行使の活動の一環である可能性を含め慎重に分析を行う必要があった」と語った。

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