機密情報の保全対象を経済安全保障分野にも広げる新法「重要経済安保情報保護・活用法」が10日、参院本会議で可決・成立した。国が適性を認めた人のみが情報を扱う「セキュリティー・クリアランス(適性評価)」制度を導入し、民間人も含めて身辺調査の対象とする。プライバシーの侵害や、恣意的な情報指定により国民の知る権利が制限されるとの懸念はなお根強い。
経済安保情報の取り扱いを巡って既に適性評価制度を運用している欧米各国と足並みをそろえ、当局間の情報共有や民間企業の競争力強化を図る。新法では、漏えいすると国の安保に支障を与える可能性があるものを「重要経済安保情報」に指定。情報を漏らした場合は、5年以下の拘禁刑などの罰則を科す。
より機密性が高く、漏えいで安保に著しい支障の恐れがある情報は「特定秘密保護法」の運用を拡大して対応することで、新法と合わせ二段構えで秘密保護法制を強化する。
身辺調査の対象は犯罪歴や薬物使用、家族の国籍などに及ぶため、プライバシー侵害の恐れもある。
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