9日、合意文書を取り交わす自民党の茂木幹事長(右)と公明党の石井幹事長=国会

 国会は、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた政治資金規正法の改正案提出が焦点となる。自民、公明両党は与党案に大筋合意したものの、意見の違いが残ったため条文化は困難との見方があり、共同提出を見送る可能性が浮上。野党では立憲民主党と国民民主党が共同提出へ協議を進める。与野党が主張の溝を埋められるかどうかは見通せない。

 与党案は、政策活動費の使途を政治資金収支報告書に記載すると明記したが、具体的な方法は示せなかった。パーティー券購入者名の公開基準額引き下げも、現行の20万円超から自民が「10万円超」、公明が「5万円超」と食い違うままだ。

 公明の山口那津男代表は11日、与党案について「直ちに法案にできない部分がある」と記者団に述べ、共同提出は難しいとの認識を表明。岸田文雄首相も「自民として条文化作業に全力を挙げ、公明に示していく」と、自民の単独作成となる可能性を示唆している。

 野党は政策活動費の廃止や企業・団体献金禁止、国会議員が連帯責任を負う「連座制」導入などに照準を合わせる。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。