人口減少問題に対応するため、25道府県の知事で作る「日本創生のための将来世代応援知事同盟」が15日、宮崎市で会合を開いた。過疎地を抱える岩手や鳥取、鹿児島など18府県の知事や副知事らが集まり、人口減にどう立ち向かうかを議論した。
有識者で作る「人口戦略会議」は先月、全国1729自治体の4割にあたる744自治体が「消滅する」との分析を発表。特に地方で人口減少に歯止めがかかっていないと警鐘を鳴らした。
会合には、人口戦略会議の三村明夫議長(日本製鉄名誉会長)が参加し、「国全体に危機感を共有するために国民会議のようなものが必要だ。知事にはリーダーシップを取ってほしい」と呼びかけた。
これに対し、参加知事の多くからは東京一極集中の是正を求める声が上がった。福井県の杉本達治知事は「国は人口減少を地方の問題と決めつけているが違う。出生率が低い東京圏に若い世代が吸い寄せられる構造に問題がある」と指摘。広島の湯崎英彦知事も「それぞれの地方でできることはやっているが、近隣の市町レベルで人口を取り合っているだけ。国が腹をくくって、社会全体の取り組みをしなければ(解決は)無理だ」と述べた。
会合では「人口戦略を国政の中核的課題と位置づけ、自治体だけでなく産業界、労働界も連携した国民運動を起こすべきだ」などとする声明を出した。(中山直樹)
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