「総理になりたいわけじゃない。ただ、総理になって『やりたい』仕事はある」――自民党の茂木敏充幹事長は19日に配信されたネット番組で、首相ポストへの意欲を強くにじませた。

 「経済でいうと生産性を上げ、一人ひとりの所得を増やす。これに尽きる」と述べたうえ、社会保障改革、省庁再編など「やりたい仕事」を列挙した。

 昨秋の人事では「ポスト岸田」に意欲を持つ茂木氏の幹事長続投をめぐり、岸田文雄首相が逡巡(しゅんじゅん)。その後の派閥解散の判断などで、2人の間にはすきま風が吹く。茂木氏は番組で、首相との不仲説について「新聞とかで、口もきかないほど仲が悪いと言われているが、毎日電話で話している」と一蹴した。ただ、「『やりたい』ことが見えない」と時に批判される岸田首相を意識したかのような発言は臆測を呼びそうだ。

 一方で、小渕優子選挙対策委員長は20日、出張先の大津市で9月の総裁選への立候補への意欲を記者団に問われ、「特にありません」と笑顔で否定。首相を支える党四役を担う2人の言動は対照的だった。小渕氏は1月、茂木派を退会している。(藤原慎一、川辺真改)

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