6月から始まる定額減税で、政府は、民間企業などに対して給与明細に所得税の減税額を明記するよう義務づける。減税の恩恵を実感してもらう狙いがあるが、企業にとっては負担につながる。

 林芳正官房長官は21日の定例会見で「デフレマインドの脱却につなげるには、国民のみなさまが政策の効果を実感できるようにすることが重要だ」と述べた。政府は3月に関係省令を改正して企業などへの周知を進めてきており、6月1日に施行する。

 所得税の定額減税は1人あたり3万円で、6月1日以降に最初に受け取る給与から控除される。扶養する家族も対象で、たとえば夫婦片働きで子どもが2人の場合、12万円の控除が受けられる。一度に減税しきれない場合は、減税し終わるまで翌月以降も控除される。

 複数月にわたって控除が続くケースの方が多いといい、企業で給与の計算にかかわる人の事務負担が大きいとの指摘が出ている。

 定額減税は所得制限があり、年収2千万円超なら対象外。ただ、所得税はいったん減税され、確定申告で納付することになる。

 住民税は1人1万円減税される。企業などに勤める人は6月の支払いがゼロになり、減税分を差し引いた税額を7月から11回に分けて納める。(岡林佐和)

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