政府は22日、首相官邸で創薬力向上に関する構想会議(座長・村井英樹官房副長官)を開き、創薬の分野での国際競争力の強化へ戦略をまとめた。村井氏は外資系の製薬企業やベンチャーキャピタル(VC)の投資を呼び込むため官民協議会を設置すると表明した。8月にも準備会合を開く。

会議で発言する村井官房副長官(左)。右は鴨下内閣官房参与(22日午前、首相官邸)

中間とりまとめとして国内の創薬エコシステム形成に向け①最新の医薬品の迅速な提供②研究強化や人材誘致③投資環境の整備――の目標を掲げた。村井氏は「日本が世界トップレベルの創薬の地を確立することをめざす」と強調した。

同会議は研究者や製薬企業の幹部らが参加し、鴨下一郎内閣官房参与が座長代理を務める。

日本はかつて世界有数の創薬国だったが、海外企業との研究開発資金の差や厳しい薬事規制などで競争力が低下したとの指摘がある。戦略は海外の新薬が日本で使えない「ドラッグロス」や国内承認が遅れる「ドラッグラグ」の解消もめざす。

具体策としてスタートアップや研究者をVCなどとつなぐ「マッチングイベント」も開催する。希少医薬品の確保のため、国際標準にあわせた薬事規制の緩和や国際共同治験の推進を盛り込んだ。

バイオ分野の人材育成と海外からの招聘(しょうへい)、スタートアップへの支援の重要性も提唱した。

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