「核兵器のない世界」に向けて、核兵器保有国と非保有国の有識者が話し合う国際賢人会議の第4回会合は22日、横浜市で2日間の議論を終えて閉幕した。白石隆座長(熊本県立大特別栄誉教授)は閉幕後の記者会見で「(国際情勢の変化で)核を含めた軍備管理は難しい状況にあり、政治と世論の関心が低いことに危機感がある」と語った。

◆AIが及ぼす影響など議論

21日、横浜市で、核廃絶に向けて議論する非政府組織(NGO)代表らと国際賢人会議の有識者ら(中澤穣撮影)

 今回の会合では、人工知能(AI)など新興技術が核軍縮に及ぼす影響などが議題となった。会見では、ローズ・ガテマラー元米国務次官が新興技術について、核管理の面から「新たなリスクとなっている」と話す一方で、AIを活用してモニタリング(監視)などができるメリットも指摘した。  岸田文雄首相は同日、会合を終えた会議メンバーと官邸で会見し、「核兵器のない世界に向けた具体的な筋道を、共に考えていきたい」と話した。  賢人会議は首相の提唱で設けられ、これまでに広島や長崎で会合を重ねてきた。次回会合は今年後半にオンラインで行い、2025年春に最終会合を開く予定で、26年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた提言を取りまとめる。(中沢穣)

岸田首相(右から2人目)を表敬訪問し、あいさつする国際賢人会議の白石隆座長(左から2人目)=首相官邸(千葉一成撮影)



鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。