石川県珠洲市の泉谷満寿裕市長は22日、東京都内で開かれた内外情勢調査会で講演した。1月に発生した能登半島地震からの復旧について「建物の解体撤去が生活、なりわいの再建につながる」と説明。全壊半壊の建物解体は7500棟ほどを見込み、「人口流出を防ぐためにも迅速に進めなければならない」として、対応を急ぐ必要性を強調した。
今後の復興に向けて「多くの建物が壊れたが、これまでの取り組みは壊れていない」と語った泉谷氏。里山・里海の保全活動や奥能登国際芸術祭の開催などを例に挙げ、「アートや先進的技術を取り入れながら復興を目指す」と述べた。その上で「市民も、ゴールデンウイークあたりからようやく気持ちが前を向き始めた。ボランティアなどまさにこれからだ」と支援を呼び掛けた。
内外情勢調査会で泉谷氏は、2011年の東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県南三陸町の佐藤仁町長とも意見交換。佐藤氏は当時について「職員も亡くなり現場の交通整理をできる人がいなかった」と話し、「人や物資はプッシュ型で入ってくる。『受援計画』を平時から作っておくことが重要だ」と訴えた。泉谷氏は、被災自治体ごとにパートナーの自治体が割り当てられる「対口(たいこう)支援」を受けた際、応援職員の役割分担まで調整してもらったことで「助かった」と振り返った。
内外情勢調査会で講演する石川県珠洲市の泉谷満寿裕市長=22日午後、東京都千代田区
意見交換する石川県珠洲市の泉谷満寿裕市長(中央)と宮城県南三陸町の佐藤仁町長(右)=22日午後、東京都千代田区
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