東北電力は27日、東日本大震災後、運転停止が続く東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機の再稼働に向けた安全対策工事が完了した、と発表した。原子力規制委員会による確認などの後、9月ごろに東日本で震災後初と見込まれる再稼働を目指している。

 東京電力福島第一原発事故後に設けた新規制基準に基づき行った主な対策は、原子炉建屋の上部に鉄骨部材を追加するなどの耐震補強▽防潮堤を高さ29メートル(総延長800メートル)にかさ上げ▽緊急時の電源確保で高台にガスタービン発電機を設置▽原子炉の冷却水として7日間対応できる約1万立方メートルの淡水貯水槽を設置など。

 東北電力はこれら対策に約5700億円を投じ、さらに2026年12月までにテロ対策の「特定重大事故等対処施設」を約1400億円かけて建設する。

 同原発には13メートルの津波が襲い、重油タンクが倒壊。1号機の高圧電源盤が焼損するなどの被害が出たが、福島のような深刻な事故は起こらなかった。20年には県や女川町、石巻市が再稼働に同意している。(柳沼広幸)

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