今年3月に利尻山(標高1721メートル)と羊蹄山(標高1898メートル)でガイドらスキーヤーが雪崩に巻き込まれた死亡事故について、日本雪氷学会北海道支部の雪氷災害調査チームは31日、いずれの事故もスキーヤーらが雪上で移動したことによって人為的に雪崩が誘発された可能性が高いことを明らかにした。札幌市内で開かれた同支部の研究発表会で報告された。
寒暖差などによって雪崩が起きやすい状況が作られていたほか、1月下旬の暴風雪や事故以前の雪崩などで沢部分が雪に覆われ、本来の地形がわかりにくい状況が生まれていたという。そのため、スキーヤーがシーズン中を通しての天候の変化や、以前のシーズンの現場の様子などを把握しておくことが事故回避につながるとしている。
国立研究開発法人土木研究所・寒地土木研究所の原田裕介主任研究員(雪氷防災工学)は「現地に詳しい方々に聞きながら、リスクを低減してほしい」と呼びかけている。(松尾一郎)
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