佐賀県は6日、唐津市の山中で捕獲された2頭の野生イノシシが豚熱に感染していたと発表した。野生のイノシシの感染確認は九州で初めて。豚熱は豚やイノシシへの感染力が強く、県は養豚農家への情報提供や監視態勢を強化し、経口ワクチンの散布などにも取り組む方針という。

 県によると、5月30日に道路わきでけがをしているのが見つかったイノシシと、今月3日にわなで捕獲されたイノシシで感染が確認された。県内では昨年8月に近くの養豚場で豚熱が発生しているが、県内の飼育豚はワクチン接種が進んでおり、今回の感染とは直接関係ないとみている。

 5月22日現在の農林水産省のまとめでは、これまでに34都府県で野生イノシシの感染を確認。22年に山口県岩国市で見つかったことから、九州上陸が警戒され、佐賀県は検査態勢を強化していた。(野上隆生)

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