燃やすしかなかった黒いプラスチックもリサイクルに――。キヤノンは6日、黒いプラスチックの種類を判別できる新しい選別機の受注を始めた。黒いプラスチックはテレビなど家電に多く使われるが、これまで再利用のための選別ができなかった。プラスチックの再利用率向上が期待される。
プラスチック循環利用協会によると、2022年のプラスチック廃棄物計823万トンのうち、素材として再利用されるのは180万トンで、全体の22%にとどまっている。
再利用にあたっては、リサイクル業者がポリプロピレンなど種類ごとに選別する必要がある。従来の近赤外線を使った装置では、光を反射しない黒いプラスチックは種類が判別できず、素材への再利用は白いプラスチックに限られていた。
キヤノンは23年7月、プラスチックにレーザー光を照射し、黒くても白くても、種類が選別できる技術を開発。選別機は、廃プラスチックをベルトコンベヤーに載せて、レーザー光に当てる方式で、1時間あたり最大1トンを選別できる。
リサイクル事業者や素材メーカーなど主に国内の数十社から問い合わせがあった。「黒いプラスチックは判別できないので困っていた」などとの声もあったという。将来的には年間50台ほどの販売を目指している。【安藤龍朗】
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