【ワシントン共同】野生のアフリカゾウは互いを名前で呼び合っているとする研究を、米コロラド州立大などのチームが10日、英科学誌ネイチャー・エコロジー・アンド・エボリューションに発表した。イルカやオウムが相手の鳴き声をまねして呼びかけるのに対し、ゾウは鳴き声のまねではなく、仲間のそれぞれに異なる音を割り当て、集団の中で共有しているらしい。
ゾウは家族や親族などの集団に属し、年齢・性別といった自分に関する情報や感情を声でやりとりするおしゃべりな動物。複雑な社会関係を生きる上で、各メンバーに名前を付ける必要があったとチームはみている。
今回の研究では、40年近くにわたりケニアの国立公園などで収集された「ランブル音」という低い鳴き声を利用した。遠くにいて姿の見えない相手に呼びかける時や、大人が子どもを世話する時によく使われるものだ。
この鳴き声を学習させた人工知能(AI)は、鳴き声が呼びかけている相手を高い精度で特定でき、個々のゾウが名前を持っていることが示された。
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