国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在を終えた古川聡宇宙飛行士が17日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の東京事務所で記者会見した。ISSでの生活や取り組んだ科学実験について紹介し、「受け継いだバトンを次の宇宙飛行士につなげたい」と振り返った。
古川さんは2023年8月からISSに滞在し、24年3月に地球に帰還した。古川さんにとって11年以来となる2回目のISS長期滞在で、宇宙滞在期間は累計約366日となった。地球に帰還後、米航空宇宙局(NASA)ジョンソン宇宙センターでのリハビリを終えて、日本に一時帰国した。
ISSで細胞が重力を感知するメカニズムの実験や宇宙用ドローンの技術実証に携わったことを紹介し、「近い将来の宇宙探査につながっていくと強く感じた」と述べた。
前回の長期滞在との違いについては、宇宙食の進化によって「(宇宙空間での)生活の質が良くなっていると感じた」と説明した。今回の長期滞在では初めて宇宙食にうなぎのかば焼きが採用され、古川さんは「とてもおいしく、一人で楽しんで食べてしまった」と笑顔で明かした。
古川さんはJAXAの宇宙飛行士としては最年長となる。25年ごろには、油井亀美也さんと大西卓哉さんがISSでの長期滞在を予定しており、経験やノウハウを継承することに意欲をみせた。今後については「いろいろと考えているが、まだ決まっていない」と述べるにとどめた。
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