原発の運転で出る「核のごみ」の最終処分場選定をめぐり、佐賀県玄海町議会の特別委員会で、選定に向けた「文献調査」を求める請願の審査が行われた17日、原発に反対する市民団体は、脇山伸太郎町長が文献調査に反対するよう求める文書を町に提出した。

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 玄海町にはこの日、原発に反対する県内の複数の市民団体の約10人が訪れた。

 町長あてにそれぞれ文書を出したのは、「玄海原発対策住民会議」と「唐津市民の会」。

 住民会議は、要請書で「文献調査は町民にさらなる負担を求めるもので、町民を豊かにするものではない」と主張。

 市民の会の申入書は「文献調査は最大20億円の交付と引き換えに、高レベル放射性廃棄物の最終処分場になる覚悟を余儀なくされる重大な問題」「町民の声をもっと広く聞き、周辺自治体の声にも耳を傾けるべきだ」などと訴えている。

 市民の会代表世話人の藤瀬憲一さん(78)は「隣接している唐津市民とすれば、玄海町だけの問題ではない」と語った。

 請願を審査する原子力対策特別委員会は午前10時に開会。会場前には傍聴希望者の列ができ、入りきらなかった十数人が、ロビーでオンライン視聴した。(岡田将平)

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