世界経済フォーラム(WEF)は19日、各国の化石燃料からのエネルギー転換状況を評価したランキング「エネルギー転換指数(ETI)2024」を発表した。評価対象となった120カ国のうち日本は26位(前年27位)。主要20カ国・地域(G20)から6カ国がトップ20入りする中、低位にとどまった。

 各国の現在のエネルギー利用の実績と、再生可能エネルギーなどへの転換に向けた環境整備の二つの基準で評価した。上位10カ国は欧州が独占。1位のスウェーデンと2位のデンマークは過去10年間、毎年上位3カ国に入っている。

 3位以下は、フィンランド▽スイス(4位)▽フランス(5位)――だった。これらの国々について、WEFは「高い政治的コミットメント、研究開発への強力な投資、(排出量に応じて金銭的負担を求める)カーボンプライシングによって加速されたクリーンエネルギーの導入拡大などの恩恵を受けている」と評価した。

 2022年度の再エネ比率が2割強にとどまり、二酸化炭素(CO2)排出の多い石炭火力が3割を占める日本は26位にとどまった。主要7カ国(G7)では、フランス▽ドイツ(11位)▽英国(13位)▽米国(19位)――に次ぐ4番目。日本より順位が低いのはカナダ(27位)とイタリア(41位)だった。

 報告書によると、世界的なエネルギー転換のペースは、ロシアのウクライナ侵攻などの影響で22年から鈍化しており、この1年でより停滞したという。報告書は、産業革命前からの気温上昇を1・5度に抑えることを目指す国際枠組み「パリ協定」を念頭に「世界は依然として(目標達成の)軌道から外れている」と指摘した。【大野友嘉子】

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