東京工業大と東京医科歯科大は19日、両大が統合して10月に発足する東京科学大の初代理事長の候補者に、東工大教授で同大科学技術創成研究院の大竹尚登(なおと)院長(60)を選んだと発表した。任期は10月から2028年3月末までの3年6カ月。大竹氏は国立大学法人のトップとして経営を担う。両大学でつくる選考会議が別途、教育・研究を担う大学総括理事(学長)を近く選出する。

  • 大学入試の「女子枠」、国立の4割導入へ 背景に「偏り」への危機感

 大竹氏は学部・大学院とも東工大で学び、1989年に同大工学部機械工学科の助手、2010年に同大大学院理工学研究科教授に就いた。研究企画担当の副学長などを務め、22年から科学技術創成研究院長。専門は機械材料学など。就任にあたり「責任を重く受け止めている。大学、教職員、学生が、社会とともに善き未来を描き、新学術・新産業の創成や感染症・カーボンニュートラルなどの社会課題への対応に挑戦していく、活力と善意に満ちあふれた大学をつくっていく」とのコメントを公表した。

 選考会議が今年1月から議論を始め、今月18日の会議で大竹氏を選んだ。選考理由を「国際的に卓越した研究大学としての未来を切りひらく指導力と発信力と若さを備えている」などとした。

 選考会議はさらに、経営を担う理事長とは別に、教育・研究を担う大学総括理事(学長)を置くことを決めた。その理由について「両大学の融和を図り、最大の統合効果を早期に引き出すためには経営と教学の両輪が協働する運営体制が欠かせず、理事長、学長による体制が望ましいと考えた」と説明している。

 大竹氏は24日に記者会見して、抱負などを述べる予定だ。(増谷文生)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。