デンソーは19日、トマトを自動で収穫できるロボットを報道陣に公開した。このほど欧州で受注を始め、日本での販売も検討する。労働力不足や賃金上昇が続く中、自動化のニーズが高まるとみて拡販を目指す。
ロボットは三重県いなべ市の農場で実証を進めてきた。「アーテミー」の名称で、トマトを収穫して農業ハウス内を自動走行できる。収穫したトマトを収納するケースも搭載し、はさみを自動で消毒する機能も持たせた。条件によるが約4割の労働削減効果があるとしている。
デンソー子会社のロボットを活用したほか、車の自動運転で使われるセンサーや走行車線の認識技術も応用した。収穫対象となるトマトの熟度を人工知能(AI)が自動で判定できる。2026年までに300台の受注を目指しており、愛知県犬山市の協力会社で生産する。
デンソーは農業関連など自動車部品以外の売上高を、30年に現状の約2倍となる3000億円に伸ばすのを目標に掲げる。担当する横尾英博経営役員は「農業ソリューションをすぐ利用できる形で提供したい。その中でロボットなど必要な要素を組み合わせていく。M&A(合併・買収)なども検討している」と語った。
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