取材に応じるドイツのジェニファー・モーガン気候変動問題担当特使=東京都港区で2024年6月19日、国本愛撮影

 ドイツのジェニファー・モーガン気候変動問題担当特使が19日、東京都内で毎日新聞などの取材に応じた。2022年に環境活動家から政府幹部に異例の転身を遂げ、ショルツ政権の気候変動対策への熱意を象徴する存在だ。世界で気候危機が加速していると指摘し、「協力し合えば山を動かせる」と日本にもエネルギー政策の転換を呼びかけた。

 モーガン氏は、今年11月にアゼルバイジャンで開催される国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)に向けた政府間の協議などのため来日した。日本に続き、中国も訪問した。

 ドイツでは、脱原発と再生可能エネルギーへの転換が進む。モーガン氏は「再生可能エネルギーの比率は58%に達し、100%になる日も近い」と語った。再エネの急増により、資源大国ロシアのウクライナ侵攻で高騰した電力などのエネルギー価格も、侵攻前の水準に戻ったという。

 モーガン氏は、ドイツでは再エネ比率の目標が法制化されたことが急伸につながったと指摘する。日本では再エネ比率は約2割だが、太陽光や風力発電で新技術の開発が進んでいるとし、「ドイツのエネルギー転換の経験を共有できる。互いに協力し、この難題に立ち向かうべきだ」と訴えた。【国本愛】

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