環境省と経済産業省は28日、2035年以降の新たな温室効果ガスの排出削減目標と実現に向けた具体策を盛り込んだ「地球温暖化対策計画」の改定に向けて議論する合同部会の初会合を開いた。気温上昇を産業革命前と比べて1.5度に抑える国際枠組み「パリ協定」の目標達成が困難な中、30年度に13年度比で46%削減する現行目標から、どれだけ上積みできるかが焦点だ。
八木哲也環境副大臣は冒頭、先進国の一員として温室効果ガスの削減を着実に進める必要があると指摘。「生成AI(人工知能)の普及に伴う電力需要増加、人口減少など複雑な状況を踏まえた対策が求められる」と強調した。
計画には温室効果ガスの削減目標のほか、企業や自治体が取り組む具体的方策を盛り込む。火力発電や再生可能エネルギーなどの電源構成を盛り込み、中長期的なエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の見直しと並行して議論する。
国連によると、世界の平均気温は産業革命前から既に1.1度上昇。1.5度に抑えるには35年に19年比で60%削減する必要がある。
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