東京電力は、福島第一原発の処理水の海洋放出で空になったタンクについて、来年1月ごろから解体を始める。跡地には今後取り出す燃料デブリの保管や取り出し装置のメンテナンスをする施設などの建設を検討しているという。また、東電は28日から今年度3回目の処理水の放出を始めた。
同原発には汚染水から大半の放射性物質を除去するなどした水をためるタンクが1千基以上ある。このうち21基を来年1月ごろから1年程度かけて解体する計画で、約2400平米のスペースを確保できるという。
28日に始めた放出は、昨年度からの通算で7回目。タンクに保管する約7800トンの水を大量の海水で希釈しながら放出し、順調に進めば7月16日に完了する見込み。
東電によると、放出が始まったタンクの水は、東電と日本原子力研究開発機構、民間測定機関がそれぞれ分析。いずれの測定結果でも、トリチウム以外の放射性物質の濃度が国の放出基準を下回ることを確認したという。
処理水の放出を始めた昨年8月以降、東電や政府は原発の周辺で海水や魚を採取し、放射性物質の濃度を調べているが、異常は確認されていないという。(福地慶太郎)
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