南米チリの北部に広がるアタカマ砂漠でここ数日、白や紫の花々が開花している。南半球のチリで冬に当たる今の時期に、花が咲くのは9年ぶり。背景には6月中旬まで続いたエルニーニョ現象の影響があるとの見方が出ている。
5000メートル級のアンデス山脈の裾野に広がるアタカマ砂漠は降水量が少なく、世界で最も乾燥した地域の一つと言われる。
これまでは、春を迎える9月以降に数年に1度、花が咲いていた。だが今年は、太平洋の赤道域東部の海面水温が平年より高い状態が続くエルニーニョ現象の影響で、降雨量が多く、冬の開花につながったとみられる。地元紙は専門家の話として、向こう6週間以内に少なくとも15ミリの降雨が予想されるため、今後も花が観賞できる見込みと伝えている。
アタカマ砂漠には、隣国ボリビアのウユニ塩湖に次ぐ世界で2番目に大きな塩湖がある。その地下には電気自動車(EV)のバッテリー生産などに不可欠なレアメタルの一つ、リチウムが眠っている。【ニューヨーク中村聡也】
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