日本原子力研究開発機構(JAEA)などは電子機器の材料に使う希少な金属を溶媒に溶かして分離する方法を開発した。溶媒の種類を変えることでパラジウムとネオジムを選別する。資源の回収や再利用に役立つ。
今回使ったのは水と油のように混ざり合わない2種類の液体のうち、油にあたる有機溶媒に金属イオンに付いてからめとる抽出剤を加えて金属を回収する方法だ。一般的には自動車の排ガスを浄化する触媒や電子機器のリサイクルなどに使う。
研究チームは、電子機器の代表的な材料のパラジウムとネオジムを分離する新しい方法を見つけた。抽出剤にマロンアミドを、溶媒にトルエンを使うとパラジウムだけを取り出せた。溶媒をヘプタンに変えると、パラジウムとネオジムの両方を抽出できた。
研究成果は都市鉱山と呼ばれる希少な金属を含む電子機器のリサイクルなどに役立つ。JAEAはウランやプルトニウムの分離に使うことも検討している。原子力産業での放射性廃液の処理などにも応用できるとみている。
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