イチョウの木が並ぶ道沿いに、雰囲気が異なる木が1本。誰かが無断で植えたらしい「ニセ街路樹」の存在が判明し、関係者たちは困惑している。
「この樹木は道路管理の支障となっております」
「植えた方は7月15日までにお申し出いただきますようお願いいたします」
今月1日、札幌市中央区北2条西14丁目の市道脇の木に、貼り紙が貼られた。
札幌市中央区土木部維持管理課によると、今年6月、市民から「『街路樹』の枝葉が道路にはみ出して危ない」などと相談があった。市職員が現地に向かうと、枝葉は車道にはみ出し、民間の建物にも迫っている。何かしら手をかける必要性は明らかだった。
でも、何かがおかしい。
一角にはイチョウの木を植えているはずなのに、この葉の形は……「クワ」のようだ。確認したところ、市が植えたものではなかった。周囲の状況から、誰かが無断で植えた可能性が高いという。枝ぶりから植えられてから5年以上たつとみられるが、苦情や意見はなく、気づかなかった。担当者は「こんな例は経験したことがない」と困惑する。
そもそも、街路樹を植える「マス」は、通行に支障のでない30センチ未満程度の草花ならば「植えても問題ない」。ただし、木は「NG」という。担当者は「道路管理の支障になっている。植えた方は申し出ていただきたい」。「大事にしていた人がいるかもしれない」とも考え、貼り紙を7月15日まで掲示することに決めた。
実は「街路樹ではない」と判明した木。幹は三股に分かれ、枝葉は今後も車道方向に伸びそうだ。市側は、植えた人が7月15日までに名乗り出なかった場合、伐採するとしている。貼り出しから10日ほどたった12日午後4時時点で、申し出はないという。
通行人の女性(50代)は「市道に植わっているので、当然、市が管理している木だと思っていた。10年以上あるのでは。最近、駐車中の宅配トラックに枝葉があたっているのをみて、気になっていた。立派に育っているので伐採ではなく剪定(せんてい)にしてはと思うが、管理などで困る人もおられますよね……」と困惑していた。
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