北海道は16日、苫小牧地区工業用水道第2施設(苫小牧市)での水質検査で、国の飲料水の暫定目標値を超える値のPFAS(有機フッ素化合物)が検出されたと発表した。工業用水としては問題ないが、取水する安平川の上流には安平町内に飲料水を供給する浄水場が3カ所あり、道は同町に水質検査を要請するとともに原因の特定を進めている。
国は1万種類以上あるとされるPFASの代表的な物質であるPFOSとPFOAの合計で1リットルあたり50ナノグラム(ナノは10億分の1)を飲料水の暫定目標値に設定。この数値以下なら、体重50キロの人が毎日2リットルずつ飲んでも健康に悪影響はないとしている。
苫小牧工水第2施設では、安平川から取水した水で1リットルあたり59ナノグラムのPFASが検出された。内訳は、PFOSはほぼ検出されず、大半がPFOAだった。
道は、原因の特定に向けて検出地点の上流8カ所で水質調査を実施。PFASの使用用途なども踏まえて原因の特定を進める。上流の3カ所の浄水場で取水して町内の約6500人に飲料水を供給している安平町は、各浄水場で水を採取して検査するが、結果が出るまで1週間ほどかかるという。
苫小牧工水第2施設からは、千歳市で建設が進む次世代半導体製造会社「ラピダス」の工場への給水が決まっている。工業用水にはPFASの水質基準がないことから、道は、今回の数値が供給に影響することはないとしている。(長谷川潤)
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