【シリコンバレー=清水孝輔】米半導体大手エヌビディアが次世代の人工知能(AI)半導体で、中国市場向けモデルを準備している可能性があることが22日分かった。ロイター通信が報じた。米政府は中国へのAI半導体の輸出を規制しているが、同社は先端品ながら規制に抵触しないモデルを開発したという。
エヌビディアは3月に開発者会議で次世代の画像処理半導体(GPU)「B200」を発表した。ロイター通信によると、エヌビディアはB200の中国向けモデルの流通に向けた準備を進めており、2025年5〜7月期の出荷開始を予定している。
米政府は中国に対するAI半導体の輸出を規制している。エヌビディアは中国向けに性能を落としたモデルを提供してきたが、米政府は23年に規制の対象範囲を広げた。同社はこれまでも規制強化に合わせ、新たな中国向けモデルを開発してきた。
ロイター通信の報道を受け、22日の米株式市場でエヌビディアの株価は前週末の終値に比べて一時4%強上昇した。
中国では通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)などがAI半導体を手掛けている。米政府がエヌビディア製の半導体の輸出を制限していることで、中国企業は内製化を急いでいる。
英調査会社オムディアによると、データセンターで使うAI向け半導体でエヌビディアのシェアは9割を超える。米アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)などが競合製品を展開しているが、先端品を中心にエヌビディア1強が続いている。
【関連記事】
- ・AIの頭脳GPU、NVIDIA「1強」にAMDが挑む
- ・NVIDIAのCEO、AI半導体「より巨大に」 品薄感緩和へ
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。