JFEスチールは23日、二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロとみなす「グリーン鋼材」を、苫小牧栗林運輸(北海道苫小牧市)が新設する倉庫向けに供給すると発表した。JFEスチールのグリーン鋼材の道内での採用は初。道内では今後、グリーントランスフォーメーション(GX)関連の開発案件が相次ぐとみられ、JFEスチールは道内でのグリーン鋼材の利用拡大に期待をかける。

グリーン鋼材は製造過程のCO2の削減分を特定の鋼材に割り当て、CO2排出量を実質ゼロとみなす仕組み。苫小牧栗林運輸は8月に着工し2025年7月の完成を見込む苫小牧市内の倉庫に使う500トンの鋼材のうち、250トンでグリーン鋼材を採用する。

倉庫の総工費は7億円を見込む。グリーン鋼材は製鉄会社の脱炭素の研究費用が上乗せされる。グリーン鋼材の採用による総工費の増加分は1〜2%という。

道内では今後、GX関連の投資が相次ぐ見通し。道内に高いポテンシャルがある洋上風力発電では、基礎部分などに鋼材を使う。データセンターなどの建築でもグリーン鋼材の採用余地は大きい。JFEスチールは環境意識の高い事業者にグリーン鋼材の利用を促し、製鉄での脱炭素化を加速させたい考えだ。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。