欧州など向けの輸出が全体の水準を引き下げた(英北部サンダーランドの日産工場)=ロイター

【ロンドン=為広剛】英自動車工業会(SMMT)が25日発表した2024年1〜6月の乗用車の生産台数は、前年同期tと比べ8%減の41万6074台だった。英国市場向けは増えたが、欧州向けなど輸出が14%減の30万9917台で全体の水準を引き下げた。同日、24年通年の生産見通しが23年比9%減の約91万台になるとも発表した。

EVとプラグインハイブリッド車(PHV)、ハイブリッド車(HV)など電動車は8%減の15万7224台だった。総生産台数に占める電動車比率は38%となった。

SMMTは「EVシフト」に向けて自動車メーカーが生産設備の切り替えを進めていることが生産台数が減少している要因の一つとしている。

英国では早ければ30年にもガソリンエンジン車の新車販売が禁止される。保守党の新政権はスナク前政権が35年に先送りした禁止時期を当初の30年に再び戻すとしている。目標を達成できないメーカーは罰金を支払う必要があり、各社はEVの生産体制を整えつつエンジン車の生産を絞る動きを見せている。

24日にロンドンで記者会見を開いたSMMTのマイク・ホーズ会長は「英国の自動車産業はEV生産に向けて急ピッチで動いている。EV投資が増えるにつれ、数年間は不安定な(生産などの)数字が続くだろう」と話した。

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